6・頑張ることは間違いじゃない
「おはよ〜」
「おう栄口。おはよー」
「水谷にしては早くない?どうしたの?」
「そりゃいつも朝練ギリギリに来るけどさ…そんな言い方って」
「あっ、ごめんごめん。だってまだ水谷しか来てないしさ凄いなって」
「俺にしたら栄口のほが凄いと思うけどね。だって俺の方が家近いじゃん」
全員が揃って練習するまでにまだ少し時間がある。
軽くストレッチをしながら水谷と栄口は話していた。
「俺さ、今だから…ってか栄口だから言えちゃうんだけど」
「おう、じゃあ聞くよ」
「正直さ高校でも野球続けようって思ったの凄くいい加減な理由でさ。最初の花井じゃないけど別の部でもいいかなって思ってた。
でも一年しか居ないって聞いたから楽しくやれるかな〜とか軽いノリで入ったワケね」
「うん、それで?」
「あとさ、中学の時とかも練習とかすっげー嫌いだったのね。でも今は楽しくてしょうがない…みたいな?」
「あはは、俺もそうだよ。ここへ来てから練習って楽しいって思えるようになった」
「まあ楽しいだけじゃないんだけど。ほら、栄口も阿部もシニアだから硬球経験者だけど…俺とか全然慣れてないし」
「そう?最近皆普通にやってるように見えるよ」
「いやいや…。まあ早く球に慣れる為にもいっぱい練習しようと早くから来てる訳です」
「偉いじゃん。じゃあそろそろストレッチ終わって皆が来るまでキャッチボールでもしようか」
「まじで?ありがとー」
「気にしないでいいって」
まさか水谷がこんなことを考えていたなんて思いもよらなくて驚いた。
もしかしたら前に試合でエラーしたことを気にしてんのか…とも思ったけど、多分それではないだろう。
なんにしろ頑張ることは間違いじゃない。
そして、今頑張ろうとしている水谷の力に少しでもなれるのだとしたら凄く光栄なことだと嬉しくなった。
三星戦後、桐青戦前の出来事な感じで。
この件から絶対水谷くんは頑張らないとと思ってくれたに違いないと信じています。
2006.12.11