別離と決別
あの頃と変わったもの。
大分伸びた背と、大人びた顔つき。
だが、根本的なものは変わっていない。
不器用で、ぶっきらぼうで、本当は優しい心を持っていて。
ルルーシュはそんな男のままだった。
「またスザクに会えると思ってなかったから、あの時は驚いたよ」
「僕も。でも、またこうやって話が出来て本当に嬉しいな」
学校で出会ってからというもの、暇があればルルーシュの家に行っている。
彼は大事な妹に自分を会わせたいだけかもしれないが、それでも十分嬉しかった。
七年前、今とは違ったあの時代に戻った、
そんなありもしない錯覚をルルーシュと居ると持てるから。
ただ、幸せだったあの頃に。
二人で居るには少し広すぎる部屋で、何をすることなく共に居るだけ。
ルルーシュは緩やかな時間に心を休めているかもしれないが、もし自分が浅ましい気持ちを抱いてると知られたら。
この関係は潰れてしまうだろう。
七年前と同じ二人で過ごす時間。
しかしあの頃とはルルーシュに抱く想いが異なっている。
好き、なんだ。
自覚してから新たに生まれてきた醜い感情。
傍に居て欲しい、ずっと自分だけを見ていて欲しい。
あてつけでしかない想いを抱き、それを本人にぶつけたくなるけど、彼を傷付けてしまうのではないかと怖くなる。
傍に居たい、でもこんな自分の傍には居て欲しくない。
醜い感情を知られてしまったら、彼はどうする。
自分は、どうなる?
「こんな風に、昔みたいに一緒に居られるなんてもう無いと思っていたからな」
どこまでも綺麗にルルーシュは笑う。
変わったのは、自分だけだと嫌でも思い知らされる。
「ルルーシュ…」
気が付けば、名前を呼ぶと同時に彼を抱き締めていた。
驚きからか強張ったルルーシュの身体は次第に脱力し、自分の背中へと腕を回してくれた。
「ルルーシュ」
名前を呼ぶと共にあふれ出した想いは収集が付かなくなってしまった。
彼への想いを総て抱き締める力に代えているかのように、強く抱き締めていた。
何も告げなくてもルルーシュは解ってくれている。
自分の背に回してくれた腕が答えだと、思い込んで。
たった今、二人の間で止まっていたものが動き出し
七年前の関係に終わりを告げた。
全て終わったんだ、何も躊躇うことは無い。
どこまでも自分は醜く、彼は美しいままなのかもしれないけれど、この想いはもう抑え切れなくなってしまった。
2007.04.01
2007.12.26 修正